涙5 Sideマミヤ
触れるだけの軽い口づけ。
一瞬何か分からなかった。
唇に感じた優しい感触。
驚いてレイを見上げると、再び唇を奪われた。
二回目は、深く、奥まで。
背に回っていたレイの腕は、いつの間にか腰をとらえ
レイの身体と己の身体が密着する。
角度を変えつつ、己の口内を犯すレイの激しい口付けに、
徐々に呼吸が荒くなり、一気に体温が上昇するのを感じた。
少しの隙間も許さないかのように
強く、強く私を引き寄せ抱きしめる。
お互いの距離が果てしなくゼロになり、
そして一つになっていく。
段々と頭の中が真っ白になり、
周囲の光景が消え去っていく。
ただ感じるのはレイだけ。
どれほどの時間が経ったのだろうか。
すっかり息が上がってしまった私をようやく解放すると
ふわり、と再び私を抱きしめた。
「かまわない」
「お前が死に逝く運命でも、俺の気持ちは変わらん。
お前の頭上に死兆星が落ちるその時まで
お前が少しでも心安らかに過ごせるように」
両肩に手を置き、身をかがめるレイ。
お互いの視線と視線が交差する。
「俺がヤツを討つ」
それは誓いの言葉。
次の瞬間。
再び感じるレイの胸のぬくもり。
先ほどとは比べられない強さで抱きしめられた。
きつく。きつく。