涙3 Sideマミヤ


 
レイに顔を向けれなかった。
一体彼はどんな顔をしているのだろうか。
それすら想像すると怖くて堪らず、顔を上げることも出来なかった。

「マミヤ…?」

訝しげなレイの声。

再度、あの五文字を発しようとした瞬間、彼の指が顎を持ち上げ、
レイの視線とぶつかった。


当惑した表情のレイ。
心配そうに頭を撫でる優しい手。
壊れ物にでも触れるかのように私をつつむ彼の腕。

その瞳はとても暖かくて優しくて…。


いたたまれなくなり、目をそむけようとした。
が、それはレイの拘束によってかなわなかった。


「何故そのようなことを言うのだ…?お前が謝るようなことなどありはしない。」

涙が更に溢れてくる。

そんな私の身体を、優しく優しく抱きしめるレイ。

 

口に出したくはない。
しかし言わなければいけない。

嗚咽を抑えつつ呼吸を整え、
最も言いたくない台詞をつむぐ。


「…ユダの紋章の刻まれた女で、
死兆星なんかみてしまっている女で・・・」


「…ごめんなさい…。」

いくら謝罪の言葉を口にしても。


ああ。私の罪は重すぎて。
決して赦されるものではないけれども。

 


は…。

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