ほうじ茶日記 Vol 4 遠足前
おや、まだおきていたのか。レイ。
早く眠るがいい。
明日は他流試合。
お前ら付き添いの見習い拳士にとっては一年に一度のリクリエーション。
いわば、気晴らし大会だ。
楽しみだろう。
このむさくるしい男ばかりの巣窟から抜け出して
他の街に繰り出すということは。
いやいや隠すことはない。かく言う私も、かつてはそうだった。
戦うのは先輩だし、私は関係ないし、
試合が終わったら適当に街に繰り出すぜ、ヒャッホーイ♪
などど、浮かれたものだ。はっはっは。
しかし明日は早い。
日明けと共に出発だ。今日は早く休んだほうが良い。
・・・ん?何?興奮して眠れないだと?
うむ、分かるぞ。
小学生が遠足前に眠れないというやつと同じだな。
明日の天気だの、服装だの、忘れ物はないかだの、
ハンカチ・ちり紙は持ったかだの、
お菓子は300円までといわれているが、
バナナはお菓子に入らないよな〜
などという心配だの。
何故分かるかだと?
フッ、伊達に歳は食ってないさ。
お前と同じ思いだったからな、私は。
しかし、どうしても眠れないということならば仕方ない。
こんな時は
チャラララッチャラー♪
酒ーーーーー。
これはね、のび○君。
どんなに興奮してても、これを飲むとほうら不思議。
高潮した気分を抑えてくれてリラックスさせてくれる魔法の液体だよ。
ん?未成年?フッ。固いことを言うな。いっとけ。いっとけ。
人はこうして大人の階段を昇るのだ。
つまみも万全だ。
ミミガーに、アボカドに、昆布!
さあ、これで明日は
ホームランだー!!!
翌日、集合時間の10時を過ぎても集まらない
レイとシュウを探しに走った南斗の拳士たちは
酒瓶を抱きしめながら、
惰眠をむさぼる二人を発見することとなる。
シュウが二日酔いで不戦勝に、
レイがバナナを没収されたことは言うまでもない。