ほうじ茶日記  Vol 1 これが日常


うむ、今日も南斗の道場は平和だ。

おお、お前は?



そうか。お前が今月からこの道場に入門するというリゾか。
ああ、私は南斗六聖拳がひとり、白鷺拳のシュウ。
この南斗の道場で拳を学んでいる。よろしく頼む。

さて、お前は今日からだったな。
とりあえず、周囲でも案内するとしよう。
ああ、気にすることはない。お前も周りが分からんと居心地が悪かろう。
ついてくるが良い。





(正面に血の池で倒れこんでる人物)

ん?リゾ、どうした。そんなに驚いて。
ああ、そこに横たわっているのはヘイリか。
リゾ、こいつも先月こちらに入ったばかりでな。いわばお前と同期だな。
何か困ったことがあればこやつに相談するといい。ヘイリも頼んだぞ。
・・・
・・・・・・
返事がないな・・・。
気絶しているのか。
ふむ、動脈がぱっくりといっているな
しかしこれしきの傷なら問題ない
2-3日したら目が覚めるだろう。


どうした、立ちすくんで?先を進むぞ。




向こうにいるは、私の同僚である、南斗鳳凰拳伝承者サウザー。
額のポチがトレードマークだ。
・・・ん?いやいや、止めておけ。
たしかにアレを押したくなる気持ちは分かる。
が次の瞬間お前の肉体は四散しているぞ、はっはっは。




おお、今日も元気だな。シン。
アレは南斗孤鷲拳の若き伝承者だ。
本日の絶叫は格別に大きいな。
また昼飯を一緒にと誘って振られたのか。あの少女に。
見事だ。あまりの走行速度に涙が虹と化している。
ん?良いのかだと?ほおっておいて?
いや、かまわん。むしろ便利なのだ。
何故って?
ヤツは決まって11時55分に彼女を昼飯に誘い、58分には断られている。
例外なくな。
そしてシンが絶叫しながら走り去るのが12時ジャスト。
だから、ヤツの叫びが聞こえたころが昼のスタートということだ。
まあ、一種の時計代わりだな。
なかなか便利なものだぞ。はっはっは。




ん?雨も降っていないのに傘が一つ。
不自然なまで真っ白な顔(日焼け止め)
ああ、あれは誰かだと?
ユダだな。南斗紅鶴拳伝承者だ。
・・・男だぞ。ヤツは。おそらく・・・。
やつは勤勉なヤツでな。
私は良く知らんが、SPFだのUVだのに、大分気をつけている。
うむ、良いことだ。
敵を知り、己をしらば、百戦危うからず。だ。




キャー
突然背後で悲鳴が上がった。
すわ、一大事と駆け寄ろうとしたリゾの腕をシュウが掴む。

心配することはない、いつものことだ。
どうせ、レイが女性の更衣室に忍び込んだのだろう。
ん?レイか?南斗水鳥拳伝承者だ。
なかなか優れた若者でな。
長じれば如何ほどの達人となるか。
あの気配の消し方、(更衣室に忍び込む)タイミングの測り方。
なかなか見所のある若者だ。




その後もシュウに楽しく南斗の道場を案内されつつ
先輩である拳士たちの紹介をを受けたリゾは、

「入門先を失敗した・・・」


と後悔の涙を流した。





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