「
却下です」
どうだ!!と言わんばかりに、仁王立ちしてふんぞり返る父に
「却下です」
正確に、先ほどの台詞を反復した・・・・。
プチほうじ茶日記
父さん、ちょっと間違ってます 〜5月2日〜
「な、なぜだ?シバ!!?何が駄目だったのだ!!?」
つい先ほどまで顔に浮かべていた満面の笑みを消し去り、オロオロと狼狽する父。
ああ、頑張ってくれてたのは分かる。努力も認めよう。でも・・・。でも・・・。
「駄目といったら、駄目なんです!!撤収!!!」
依然腑に落ちない表情で、こちらの様子をちらちらと伺う父・・・。
うっ!そんな泣き出しそうな子ウサギの様な表情しないで下さい。
僕がなんか父さんを苛めたようじゃないですか!!
ああ、なんだかとてつもなく罪悪感が・・・。
ごめんなさい、父さん・・・。でも、でも・・・。
そんなオブジェもこどもの日に飾ってほしくありませんから・・・。
すっかり目の据わった僕に恐れをなしたのか。
父は玄関に飾り付けられたソレを撤収し始めた。
鰯の頭をヒイラギで刺したグロテスク100%のデコレーションを・・・。
「何故だ・・・、何が悪かったのだ・・・」
父の呟きが耳に入る。
ある意味・・・。
今回は惜しかった。本当に惜しかったのだ。
しかし。
時期が少しずれていた・・・。
これが2月3日にされてたら、「ちょっとグロテスクですね〜」と笑って終わらせることが出来たのに・・・。
でも父さん、節分とこどもの日では飾るものが違いますから・・・・。
深い深いため息をつきつつ、心の中で呟いた。
が。
ソレを声に出して父に突っ込む余力は残っていなかった・・・・。
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