涙8.5 おまけ
「こんなにお前が泣き虫だったとはな。少し、いや、物凄く意外だったな。
鋼鉄の女、ってのが俺のイメージだったしな。
それに、『マミヤさんが泣けば、桶屋が儲かる』とまで言われていたお前がな・・・」
「ちょ、ちょっと。むかつくわね!私だって泣く時くらいはあるわ!!
第一桶屋が儲かるって何よ。」
「お前が泣く→皆が驚いて放心状態になる→村の機能がストップする→
野生動物の勘でネズミが危機を察知する→沈みかけた船(村)からネズミが逃げ出す→
猫が飢えて村の備蓄食料に手を出す→頑丈な箱の需要が増える→
桶屋が儲かる、ということだ。」
「・・・違う!それ違う!!何かが違ってる!!!
第一そんなバカなこと言い出したのは一体誰よ!?」
「・・・・・・・バットだが。」
(壁の向こうで)「あ、やべえ・・・」
「・・・・」
「・・マ、マミヤ?・・・・・・」
(壁の向こうで、こそこそと動き出す気配)
「・・・・・・・・・」
「どうした?マミヤ?」
「・・・・・あんの、糞ガキがっ!!!!!」
「お、おい。マ、マミヤ?」
「ひぃぃっ!!!」
壁の向こうからあがる悲鳴。そしてけたたましい足音。
「逃がすかっ!!!
レイ、ちょっと待ってて。これからアイツ、ボコって来るから!!!」
「ボコるって、お前・・・」
「それから、貴方とはゆっくりと先ほどの事を話しましょう。
『鋼鉄の女』ね。
フーン。そう。そんな風に思ってたんだ、私のこと。」
先ほどの甘い空気はどこへ行ってしまったのか。
レイに冷たい一瞥を与え。
圧倒的なオーラを纏った彼女は、バットを捕らえるべくダッシュした。
そして、その場に残されたレイは。
ようやく自分が地雷を踏んだことに気づいたのであった。
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