女同士の座談会  マミヤ&トウVer.


「じゃ、じゃあさ。ジュウザさんは?」

「・・・・」

「ジュウザさんって、凄い強いって聞いたけど。しかも男前とか?」

「・・・・・・・・・」

「あの拳王とも互角に戦ったって言うじゃない?
なかなかそんじょそこらの男では真似できないわよ?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「しかも大事な人のため・・・・。純粋よね〜」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「どう?どうなの?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ト、トウさん?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ジュウザは・・・・。よい男です。」

「じゃ、じゃあさ・・・・」

「でも彼はダメです。外見とか強さとかそういう以前の問題でです!!」

「な、なんで?また乗り物オタ?マッドサイエンティスト?
それまたどっか外れているとか?」

「そんなことはありません。趣味に固執するタイプではないですし、
怪しい研究にのめりこむほどマニアックでも勤勉でもありません。
女性に対して気遣いも出来ますし、きちんと関心も持っている男です」

「だ・・・だったら。どうし・・・」

「その関心の度合いが問題なんです!!!」

「え・・・?」

「ジュウザの日課が何かご存知ですか?
入浴中の女性の風呂場に屋根からダイブですよ。ダイブ。
逃げ惑う女性を追っかけて
『喰っちまうぞ〜』ですよ!!」

「・・・・・」

「本当に彼は女性に目がなくて・・・。
その肩が既婚でも子供がいても、全く気にも留めません。

『別に子持ちだろうがなんだろうが俺は構わないぜ。いい女には変わりない』
と、震えながら母親の服にしがみ付く子供の非難の眼差しを無視して
女性を一日中ドライブに連れ出すって事もありました。
流石に父を初め周囲から総スカンを食らって、その後は控えていたようですが。
でもすっかり既婚女性並びに子供達には怖がられてしまったようで・・・。

どう思われます?
『あいつは極悪人だ』
『どんなに強くても、人を助けるような面じゃない』
純真無垢な子供からそんな風に言われる男って!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「又食料調達の際に、事もあろうか女装なんかして
野党をおびき寄せたと聞きます。
本人は、無駄に荒野を駆け巡るよりもそっちの方が効率的だとか。
『いい男は女の格好しても様になるってもんさ』と
一人悦に入ってますわ。
私から言わせると食料を奪い取る手段として女装するなんてバカの極地です。
拳法家としてのプライドを、
それ以前に男としてのプライドを捨て去ったとしか思えません。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「他にもあるんです。ジュウザってばユリア様似の人には特に見境がなくて・・・。
マミヤさんもあの人にお会いになることがなくて幸いでしたわ。
『俺を馬と呼べ』と四つんばいになったりと奇行騒ぎを巻き起こします。
自分好みのドレスを無理やり着させようと
躊躇する女性の服を剥ぎ取ろうとしたこともありましたわね。
え?それは一応未遂に終わったようです。勿論ですわね。
女性の服を剥ぎ取ろうなんて男。最早漢として認めません。外道ですわ。外道。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「決め手は・・・。やはりあれ。
壊滅的なまでにシスコンってのが痛いですわね。
ユリア様が大切なのはわかりますが、彼の行動は常軌を逸してます。
今日もホラ。出かけられたユリア様の後をこっそり付いてるみたいです。
これは最早ストーキング、犯罪の域に達してると思いません?
幾ら身内、幾ら大事とは言え・・・。ユリア様も20を超えてらっしゃいます。
いい加減妹離れしたらどうかと、我ら一同心を悩ませている次第です・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「結論。
『助平』で、『子供から極悪人扱いされて』、『女装癖があって』、
『女性の服を剥ぎ取ろうとする(未遂)外道で』、しかも『シスコン』・・・。
どんなに男前でも、強くても、純粋でも。

断じてお断りです!!!!!!!!!!!











「はっ!!私ってば自分ばかり話をしてしまいましたね。
マミヤさんは?マミヤさんのお相手の方の話をお聞きしたいわ。
水鳥拳伝承者、レイ様
お噂ではとても美しく、立派で、強く、高潔な方とか。
どのような馴れ初めか、お聞きしても?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「マミヤさん?」

「・・・・・・・・・・・・・・。え、ええっと・・・・。すっかり時間も経ったことだし・・・。
今日のところはこの辺でってことで・・・・。村にも帰らないといけないし・・・。
ま、また私の話は・・・・・。次の機会でも・・・・・・」

「まあ、そうですわね。全く私ったら気が効かなくて・・・。
あっという間に時間が経ってしまったのですね。」

「ええ・・・・。そ・・・。そうね・・・」

「こんな風に同年代の女性とお話をするなんて今まで無かったものですから。
初めは緊張しましたが、とても楽しかったですわ。」

「ええ、ええ・・・・。わ、私も・・・・。楽しかったわ・・・・。」

「きっと又。近いうちに。」

「え、ええ・・・・。そ、そうね・・・・。」

「じゃあ、マミヤさん。この度は楽しい座談会有難うございました。
そしてお疲れ様でした。お気をつけて戻られて下さいね」

「・・・・・こ、こちらこそ。どうも有り難う・・・・・」










座談会 トウ&マミヤ



ひとまず終了〜



おまけ













言えない・・・・。





一人とぼとぼと
村への帰路につくマミヤ









馴れ初めは風呂場。しかも剥かれましたとは。



『助平』で、『子供から極悪人扱いされて』、『女装癖があって』、
『女性の服を『実際に)剥ぎ取った外道で』、しかも『シスコン』で・・・。



『断じてお断り』と叫ばれるような男性が










実は私の相手ですとは・・・・・。























私はレイのどこに惹かれたのか。

明確な(答え)が出るまでは、トウさんに再び会うまい





そう誓いながら。





足取りも重く帰路についた


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