You can dance
Ev'ry dance with the guy
Who gives you the eye
Let him hold you tight
You can smile
Ev'ry smile for the man who held your hand
'Neath the pale moonlight
But don't forget who's taking you home
And in whose arms you're gonna be
So darlin', save the last dance for me, mmmm
ラストダンスは私に
村の中央。
燃え盛る炎が夜の闇を切り裂き、色とりどりの花火が美しい華を天に咲かす。
壇上近くに設置されたテーブルの上には、質素だが美味しそうな料理。
交易で手に入れた珍しい果物。貴重な砂糖と卵をふんだんに使って焼き上げられたケーキやクッキー。ビールの樽やワインの瓶などが林立し、素朴で可憐な花が所々に飾られている。
その片隅では、一体どこから引っ張り出してきたのか古びたバイオリンを手にした中年の男が
ぎこちない手つきでながらも軽快な曲を奏で始め、
所々音階が外れたりテンポの狂った曲に合わせて幾人かが踊りだした。
やんやと喝采を浴びせる者。手拍子を打つ者。口笛を吹く者。
ハーモニカを引っ張り出してくる者。料理を口いっぱいに頬張る者。
グラスを傾ける者。顔を真っ赤にして歌いだす者。炎に新たな薪をくべる者。
皆が笑っていた。楽しんでいた。その宴を。
流れる音楽
交差する光と影
くるくると動き回る人々のシルエット
炎に照らし出される笑顔
響き渡る笑い声、歓声。
未だ闇がこの世界を厚く覆っていたとしても、
未だ圧政から全ての人々が解放されていなくとも、
未だ悲しみと嘆きはこの地表から消えうせていなくとも。
今日という日を楽しもう。今日という日を祝おう。皆で・・・。