父が死んだ。



つい前日までピンピンしていたのに・・・。
全く人とは、寿命とは分からないものだ。





Blood おまけ  ケンシロウ









トキに死因を尋ねると、「脳出血」という回答が。





脳出血?
あの毎朝、毎晩納豆ご飯を食べていた父が?
「血液サラサラじゃ〜」とたまねぎを丸齧りしていた父が?
大好物の漬物も「塩分が多い」と食卓から遠ざけた父が?
減塩味噌汁を渋々とまずそうに、しかし黙々と啜っていた父が?



まさか・・・。









不審そうな俺の眼差しを受けとめ、言葉を濁しながらトキが口を開く。




「父は・・・。自分の歳を考えずに・・・。
なんと言うか。その・・・。頑張りすぎた、というか。無茶した、というか。
まあ、なんだ。・・・・つまり・・・・。興奮してしまってな」









ああ・・・。成る程。
起床・就寝時には必ず測定し、グラフにまでつけて血圧に気を配っていた父だったが。


唯一つ。



気性の激しさだけは抑えられない人だったな・・・。












何やら気に食わないことがあって、ついかっとしてしまったのだろう。


それで一気に血管に来てしまったということか・・・。








父の冥福を祈りつつ、








怒りっぽいのはいかんな。容易く頭にがのぼらぬよう気をつけよう。




そう自分を戒めた。








who would have thought the old man to have so much blood in him?
         (だれが考えただろう?あの老人があれほどの血をその身に抱いていようとは)






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