くたばったか、あのジジイ
まだ新しい血の痕が残るその場に
俺は暫し立ち竦んでいた
Blood
殺ったのは・・・・・・。
・・・・兄者だろう・・・。
自分と同じく、いや自分以上にジジイの決定に納得がいかなかったのであろう。
昨日会ったっきり、その姿は道場のどこにも見られない。
そしてトキのあの落ち込み様・・・・。
ほぼ間違いねえな・・・。
しっかしあのバケモノジジイを殺っちまうとはな・・・。
「流石だぜ」
心の底から笑いがこみ上げてくる。可笑しくて、愉快で堪らない。
ジクジクと痛みを訴え続ける顔の傷にも構わず、
俺は狂ったかのように笑い続けた。
「これから面白くなりそうだな・・・。」
ひとりごちながら、
胸の奥で
フツフツと、
血が沸きあがるのを俺は感じた。
Novel TOPへ